Wedge Column Vol. 1:スコアメイクの要 ウェッジのセッティングに注目!
メジャートーナメント開幕!
スコアメイクの要 ウェッジのセッティングに注目!
いよいよ2018年のメジャートーナメント第1戦『マスターズ』が開幕。タイトリストの公式サイトでは、メジャーに挑むトッププレーヤーの使用ボール、クラブについて最新情報を随時更新しています。今回は、その中から歴代チャンピオンのジョーダン・スピース、そして初優勝を狙うジャスティン・トーマスのウェッジコンビネーションについて、ボーケイウェッジ フィッティング担当が注目ポイントをご紹介します。
ジョーダン・スピースとジャスティン・トーマス。現在のPGAツアーを牽引するトッププレーヤーのウェッジセッティングには、共通点が多くみられます。アマチュアゴルファーにも非常に参考になる組み合わせの基本を紹介します。
■ウェッジ4本派!ポイントは56°ウェッジ
2人のウェッジセッティングは、ピッチングウェッジ46度、アプローチウェッジ52°、サンドウェッジ56°、そして60度のロブウェッジの4本を組み合わせている点でまったく同じです。ボブ・ボーケイは56°のサンドウェッジを推奨していますが、それはこの2人のセッティングのように、ウェッジを複数本組み合わせることで、よりシンプルに飛距離を打ち分けることが可能になるからです。
ショートゲームにおける推奨飛距離ピッチの10~15ヤードを実現するには、ロフト角を4°~6°刻みにすることが基本となります。アマチュアゴルファーの中には、58°のサンドウェッジを選んでいるケースも多くみられますが、こうするとAWとのロフト角ピッチは広がり、逆にLWとのピッチ差が少なくなってしまいます。ウェッジを複数本組み合わせる場合、56°のサンドウェッジがその中心となったほうがバランスがいい。トッププレーヤーもその基本を理解し、実践しているのです。
■ソールグラインドの違いでわかる、それぞれのアプローチスタイル
ロフト角セッティングについて、模範セッティングとなっている2人ですが、コントロールショットで使用するSWとLWでは、それぞれのプレースタイルによってグラインドの選択が異なっています。PGAツアーで彼らのグラインドを担当しているアーロン・ディルは、その違いについてこう語っています。
「スピースは、打点も安定していて、ヘッドをシャローに入れるコントロールができる。打点のバラツキが少ないため、ローバウンスのグラインドを選んでいます。トーマスはスピースに比べるとヘッドの軌道が鋭角で打点が不安定になる面があります。それでも安定したパフォーマンスを発揮するために、ハイバウンスを選んでいます」
補足をすると、スピースの方が1本のウェッジを使って様々なアプローチをするタイプといえます。特に60°ではフェースを開き、バウンス効果を自分でコントロールしながら多彩なショットを打つため、スクエアショットでは最もバウンス効果が少ない“Lグラインド”を選択しています。
トーマスの場合は比較的ロフト角に忠実なプレーを主体としており、フェースを大きく開いてバウンスの効きをコントロールする場面もあまり見られません。それがボーケイウェッジのグラインドの中でも比較的バウンス効果が大きい、“Fグラインド”(56°)、“Kグラインド”(60°)を選んでいる理由になっています。
メジャー優勝を狙う世界的なトッププレーヤーでも、ウェッジを4本入れ、グリーン周りでの難しい局面をシンプルに乗り切ろうとしています。アマチュアゴルファーの皆さんにも、このあたりも注目していただきながら観戦していただくと参考になるかもしれません。