ツアープレーヤーがアイアンの「ブレンドセット」を使用する理由
まずは、世界最高峰のPGAツアーで活躍するタイトリスト ブランドアンバサダーのアイアンセッッティングを見てみましょう。
- ●ジャスティン・トーマス|T200(#4), T100(#5), 621JTプロト(#6-#9)
- ●キャメロン・デービス|T100(#3), 620CB(#4-PW)
- ●ブライアン・ハーマン|U500(#4,#5), T100(#6), 620CB(#7-PW)
- ●ラッセル・ヘンリー|T150(#4), T100(#5-#9)
- ●トム・ホージ|T100(#4), 620 MB (#5-#9)
- ●ビリー・ホーシェル|T100(#3), T100(#5) 620MB(#6-#9)
- ●トム・キム|T200(#4), T100(#5-#9)
- ●デービス・ライリー|T100(#4-#6), 620 MB(#7-#9)
- ●キャメロン・ヤング|T200(#3-4), T100(#5),プロト(#6-#9)
いかがでしょうか?メジャー優勝経験者も世界ランキング上位者も2~3モデルを組み合わせたアイアンセットを使用していることがお分かりいただけたと思います。それではなぜ、こうした『ブレンドセット』がツアートレンドとなったのか、国内ツアー担当の真野が説明します。
「まず、ロンチモニター(弾道測定器)が普及し、各プレーヤーが数値で現状を把握できるようになったことが挙げられます。とくに男子ツアーの場合は200~225ヤードのロングアイアン領域でいかに精度高く、カップ付近にボールを止められるかが優勝に絡む必須条件となっています。各プレーヤーはロンチモニターを使うことで、一貫したロングショットを打つために何が不足しているのかを具体的に知ることができます。それは弾道の高さだったり、バックスピンの量であったり、あるいはボールスピードであったり、プレーヤーによって異なります。私たちツアー担当はプレーヤーと情報を共有し、目的達成に近づくヘッドモデルの提案などを毎週、ツアーの現場で行っているのです」(真野)
PGAツアープレーヤーの『ブレンドセット』状況を見ても、ショートアイアンからミドルアイアンはMBやCB、T100といったコンパクトアイアンがほとんど。ロングアイアンになるとT150、T200、T350と飛距離が出やすく、高い許容性を備えたモデルを選択していることがわかります。
「男子ツアーでは200ヤード以上のパー3も多いため、ロングアイアンには一貫性ある縦距離(キャリー)と左右ブレの無さ(方向性)の両方が求められます。もちろん、フェアウェイからも高い打ち出し角度が得られなければなりません。各プレーヤーはユーティリティアイアンを含めた複数モデルの中から、番手に必要とされる弾道が打ちやすい1本を選び出しキャディバッグに加えているのです」(真野)
アイアンはセットで使うものであり、各番手の繋がりが重要であると昔から言われています。しかし、複数モデルを『ブレンド』しても、そのセットの統一感が崩れてしまうことはないのでしょうか?
「最新のT-SERIESアイアンでは、設計段階から複数モデルを『ブレンド』してセットを構成することを念頭において仕様が決められています。すべてのモデルで同じようなフェースプロファイル(輪郭)を採用していることもその一つ。また、中空構造が進化したことで以前のようにロングアイアンだけが急にオフセットが大きくなってしまったり、違う見え方になってしまうという心配もないのです」(真野)
「また、ブレンドのトレンドには地域性があります。例えば日本のコースは芝種の違いによってボールが浮きやすいため、PGAツアーよりもウッド形状に近いユーティリティメタルが選択する傾向があります。ユーティリティメタルは高弾道が打ちやすいだけでなく、ソール幅が広いためボールがラフに入った時も安心して使えるメリットがあるのです。日本のゴルファーの皆様もぜひユーティリティメタルを上手にブレンドしてベストスコアを狙っていただければと思います」(真野)
タイトリストの「ユーティリティ&アイアン」フィッティングでは、すべてのゴルファーに対してツアーレベルのプログラムを基にセッティングのご提案を行っています。このフィッティングではアイアン各モデルだけでなく、ユーティリティアイアン(T200、U・505)、ユーティリティメタル(TSR)を組み合わせ、皆様に最適なセッティングの提案をいたしますので、ぜひご利用ください。