バウンスと“友達”になるための
“ウェッジアドレス”
ボーケイ・デザイン ウェッジを生み出したボブ・ボーケイは、ことあるごとに「BOUNCE IS YOUR FRIEND」、ウェッジのバウンスを味方につけることがスコアリングショット(アプローチ/ショートゲーム)を成功させるポイントである、と言っています。
バウンス角とはシャフトを地面と垂直にした時にできるソールの角度のことですが、ボーケイは数値的な角度の大小というよりも、インパクトエリアにおける実質的なソールの影響について長年、研究/分析を重ねてきました。そして、角度だけではなく、形状そのものによって多様なアプローチスタイルやライコンディションに対応できることに気が付いたのです。これがグラインドの成り立ちになります。
ウェッジが他のクラブと大きく異なる点は、ソールに盛り上がり(出っ張り)があり、インパクトの直前でソールの意図したエリアが地面に接触するように作られていることです。
ウェッジとは、ソールを“抵抗”として使うことで、地中に深く潜る角度で降りてきたクラブヘッドを振り抜きたい方向へと軌道修正することを意図して設計されているのです。
「BOUNCE IS YOUR FRIEND」とは、ソールをうまく地面にコンタクトすることができれば、クラブヘッドが正しく働いて正確にボールをとらえることが出来ますよ、というメッセージなのです。
では、どうすればバウンスと“友達”になれるのでしょうか? 基本的にはプロ・上級者のようにフェースを開いたり、意図的に軌道を変えたりする必要はありません。ボーケイ・デザイン ウェッジには、フェースを目標にスクエアにセットするだけで十分にソール(バウンス)効果を発揮するグラインドが用意されているからです。具体的にはFグラインド、Kグラインド、Dグラインドがそれにあたります。
ポイントがあるとすれば、シャフトが地面に対して垂直になった状態でアドレスすることです。なぜなら、ソール(バウンス)の設計はこの状態(スイング軌道の最下点)を基本に行っているからです。
ハンドファーストインパクトという言葉があるからか、シャフトを目標方向に傾けてアドレスするゴルファーも少なくありません。また、構えた時にリーディングエッジが浮くのを嫌うゴルファーも数多くいます。
しかし、いくらバウンスの大きいウェッジを選んでもシャフトを目標に傾けてしまえばバウンスの角度(効果)はゼロに近づいてしまいます。
ゴルフショップのフローリングの床でアドレスすればリーディングエッジが浮くように見えますが、芝生の上ではどうでしょうか? ゴルフコースではボールは多少なりとも芝生によって浮いています。リーディングエッジと地面との間に隙間があるくらいでちょうどフェースの上にボールが乗ってくるのです。
ウェッジを選択する場合も必ず、シャフトを地面に対して垂直にして構えてみてください。そうすることでソールグラインドごとの違いがより体感できるようになります。
世界のトッププレーヤーも、ウェッジゲームでのシャフトの傾きは基本的には垂直。シャフトを傾けて構える場合は、バウンスをコントロールしてより高く、あるいは低く打ちたい時。つまり、特殊なショットに限定されるのです。