Titleist Brand Story vol.1
ベストプレーに応える“品質”であれ。
-1932年から続くゴルフボール精密製造への誇り-
自分がうまく打ったと感じたショットやパットが意図しない飛び方、転がりをした時に皆さんはどう思うでしょうか。多くのゴルファーは“自分の打ち方が悪かったのかも”と納得しようとしてしまうかもしれません。しかし、タイトリストの創設者であるフィル・ヤングはそう思いませんでした。彼は自分が完璧に打ったと思ったパットが不自然の転がりによってカップを外れた時、“このゴルフボールがおかしいのではないか?”と不審に思ったのです。
その時、たまたま一緒にラウンドしていたのが病院でレントゲン科の科長を務める友人でした。ヤングは友人にその日使用していたゴルフボールをX線で調べたいと頼みます。そして、驚くべき真実を目の当たりにすることになります。調べたのは当時人気のあった有名ブランドの高級品でしたが、X線で透過してみると芯が歪んでいたり、芯がセンターから大きくズレていたり、そもそも芯と呼べるものがないような粗悪品もあったのです。なによりも同一銘柄であるのに、その実態が極めて不均一なものであることがヤングを失望させました。
「ゴルファーがどんなによいスイングをしても、完璧なインパクトでヒットしても、肝心なゴルフボールがこの有り様ではよい結果になどなるはずがない」
この時感じた強い憤りが、世界で最も品質が良く最高のパフォーマンスを持ったゴルフボールを開発する!という思いにつながります。1932年、ヤングはACUSHNET PROCESSCOMPANYを設立し、友人でゴム製造の専門家であるフレッド・ボマーをリーダーとしたゴルフボールの製造部門を稼働させたのです。一球一球の品質が均一でその性能が一定である。それこそがプレーヤーの努力に報い、ゴルファーを守る“正しいゴルフ道具”であると信じていたのです。
開発をスタートして3年後の1935年、ヤングとボマーは遂に初代のタイトリストゴルフボールを完成させました。画期的なニューボールの登場を知らせるポスターには、一番目立つ文字でこう書かれていました。
For Your Protection!(あなたを守るために)
ポスターの上段にはタイトリスト ゴルフボール、下段には有名ブランドボールのX線写真を並べ、ゴルファーに向けて既存ゴルフボールの実情とタイトリストボールの革新的な均一性を伝えました。
タイトリスト ゴルフボールが世界ツアーで圧倒的な信頼を集める背景には、一球一球に対する品質の均一性があります。卓越したトータルパフォーマンスが、すべてのタイトリスト ゴルフボールに約束されているのです。よいプレーには最高の結果が伴わなければなりません。世界のトッププレーヤーたちは、最も均一なゴルフボールを選ぶことで、自らのベストショットを守っている、といえるのです。
ヤングが初代タイトリスト ゴルフボールを世に送り出してから86年の月日が流れました。タイトリストのゴルフボールプラントでは今日も、すべてのゴルフボールがX線による厳しい品質チェックを受け、世界中に出荷されています。