「ボーケイ・デザイン ウェッジをもっと知る」 #8
ウェッジの輪郭“フェース プロファイル”の秘密(後編)
フェースを開いても、不安なく振り抜いていける!
ボーケイがリーディングエッジの丸みにこだわる理由。
ご存知の通り、ウェッジは誰にとってもピンポイントで狙いを定めたくなるクラブです。だからこそ、「ターゲッティング(構えた時に方向をしっかりとイメージすること)が極めて重要」だと、ボブ・ボーケイは言っています。
ウェッジの場合、スクエアに構える時も、オープンフェースにする時もありますが、基本的には「フェースを開いたからといって、ボールが右に飛び出すわけではない」というのがボーケイの考え方です。
それではまず、なぜフェースを開くのか?その目的について確認してみたいと思います。
ほとんどのゴルファーはロフト角を大きくし、「ボールを高く上げる」ためにフェースを開きます。そしてもうひとつ、あまり知られていない重要なポイントがあります。それはフェースを開くとソールのトレーリングエッジが地面方向に出てくるため、「バウンス効果が大きくなる」ということです。
トッププレーヤーや上級者の多くは、深いラフやバンカーなど高さが必要な場面でフェースを開くアプローチをしますが、それは高さと同時にバウンス効果を強めることで難しいライからのアプローチを成功させようとしているわけです。
フェースを大きく開いた時に問題になるのが、下図のようにフェース面が外に向いて見えるために「右に飛び出すのではないか?」という不安感が生じることです。しかし、正しくフェースを開いた状態ではロフト角とバウンス角は増えますが、飛び出す方向は変わりません。なぜなら、ボールはヘッドの軌道、つまり振っていく方向に飛び出していくからです。
ボーケイはリーディングエッジの丸みをロフト角別に意図的に変えることで、オープンフェースにした時の方向性に対する不安感を緩和できると考えました。それがロフト角ごとのフェースプロファイルの違いとなってあらわれています。
【フェースを開かないギャップウェッジはリーディングエッジがストレート】
①ギャップウェッジ(46°~52°)
ギャップウェッジ(46°〜52°)は、フェースを開かずに使用することを前提にしているため、リーディングエッジの丸みを減らし、ストレート気味にすることでアイアンのようにスクエア感をイメージし、フルショットしやすいプロファイルにしています。
【フェースを開くサンドウェッジ・ロブウェッジは、リーディングエッジを丸く】
②サンドウェッジ(54°~56°)
③ロブウェッジ(58°~62°)
一方、サンドウェッジやロブウェッジは、ロフト角が大きくなるほど、リーディングエッジ(赤線部分)の丸みを強く設計しています。これはリーディングエッジが真円に近いほど、フェースを開いてもスコアリングラインの向きに惑わされることが少なくなるからです。逆に、ギャップウェッジのようにストレートに近いリーディングエッジでは、少しフェースを開いただけでフェースが右に向き、右に飛び出してしまう錯覚に陥りやすくなります。
ボーケイは、どのロフト角においてもリーディングエッジの丸みの頂点がフェースセンターに見えるように設定しますが、トゥの丸み、トップラインのカーブなどがリーディングエッジの丸みにスムーズに繋がるように全体のプロファイルをロフト角ごとに整えていきます。その結果、どのロフト角、どのアプローチスタイルでもターゲットに対して、しっかり振り抜いていくことができ、狙った方向にボールがしっかりと出ていくことによって、ワンパット圏内にボールを寄せ切ることができるわけです。
ボーケイ・デザイン ウェッジは、単にスクエアに構えやすいのではなく、狙った方向にしっかりと打ち出し、意図した通りのバウンス効果、そしてバックスピンや球筋の変化が的確に得られるようにデザインされています。その土台になっているのが20年以上の時間を費やして進化させてきた、独自の“プロファイル”。ロフト角ごとに考えられたリーディングエッジのカーブなのです。
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